8期生最終公式戦

横浜市長旗杯1回戦。8期生にとっては最後の公式戦です。相手は昨年の選手権大会でも戦った相模原ボーイズさん。

山手ボーイズの8期生は人数も少なく、お世辞にも強い世代ではありません。でも、悔しい思いをしながら、そのたびに頑張って来た量はどの世代とも変わりません。


公式戦未勝利の8期生。最後に何とか一矢報いたいところ。


気になる天候はと言えば…それがどうしたわけか相模原ボーイズさんと戦う時は雨模様が多く、今回もまた雨。その上、今年は台風3つのおまけ付き。お天気アプリの雨マークがまるでスマホの液晶に焼き付いてしまったかのよう。気を揉みながら決戦の日を迎えます。

何度でも言いますが、中学最後の試合は、双方グッドコンディションで悔いのない戦いをさせてあげたいものです。

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三連休初日。山手ボーイズ一行はどこまでも続く鈍色の空の下、東名高速をひた走ります。次第に標高を上げる道。雲が厚く垂れ込みます。お天気アプリを複数インストールしている野球人は、こういう時、なるべく都合の良い天気を信じるようです。


「きっと試合はできる」


そう信じて、のどかな風景に映える御殿場線を左に見ながら、決戦地 南足柄球場に車を運びます。


ほぼ予定通り、11:10に全選手が球場に到着しました。小高い山の麓ではやはり雨は避けられないようです。小雨が降り続ける中、はやる気持ちを抑えて、ゴーサインが出るまでは各々車中でソーシャルディスタンス待機。選手たちは思い思いの音楽でも聴きながらテンションを上げているでしょうか。それともエネルギーを蓄えるために車中で寝ているでしょうか?

天気はやや崩れがちなものの、なんとかグラウンドインの連絡が入り、選手はグラウンドに、そして保護者はスタンドに集結です。
スタンドから見たグラウンドは、少しぬかるみはあるものの、なんとか試合はできそう。願いは通じました。

本来であればスタンドには溢れんばかりのスカウトと保護者たちが集まってもおかしくない一戦?ですが残念ながら今日は応援制限もあり、少しばかり風通しの良いスタンドです。代わりに選手たちの跳躍音が心地よく山びこして、しっかり気持ちを高ぶらせていよいよ試合開始です。

GO!GO!YAMATE!


山手にとって最も課題となる初回はどうでしょうか…スロースターターな8期生…少し心配です。

やはり懸念した通り、エンジンは温め切れず、1点を奪われます。しかし、その後は再三のピンチが続く流れの悪い中でも6→3→2のダブル(ファイン)プレーが出るなど、最小失点差でイニングを進めます。


まだまだ。さぁ、勝負はこれからだ。


と、ところがまたまた横殴りの雨!(このフレーズ、去年も使ったぞ)

試合は一旦中断。グラウンドが荒れ始め、集中力が試されるところですが、これは相手も同じこと。


じりじりとした思いで待っていると、願い通じて15分ほどで雨は上がり、少しばかり晴れ間も見え始めました(繰り返しますがこのフレーズ去年も使ったぞ)


いよいよ山手ボーイズもエンジンが掛かり始め、次第に相模原ボーイズさんを追い詰めていきます。

しかし、チャンスにもう一本が出ない…チャンス到来…でももう一本が出ない…流れが続かない。。。


自慢の足が活かせる場面を作れず、選手と応援席の焦りが見え隠れし始めます。焦りは次第にバッティングにも影響しはじめ、高め低めの難しい球に手を出し始めてしまいます。


結果。


途中、チャンスを作って点をもぎ取ったものの2-4の惜敗。最後までリズム作れず、ほんとうに悔しい敗戦となってしまいました。


試合後、キャプテンは号泣し、他の選手も無念さが顔に溢れていました。


決して人数的に恵まれていなかった山手8期生。それでも旭区の塾や海老名のグラウンドに、早い生徒では朝4:30に起きて毎週・毎日通った心根の強さはどこのチームにだって引けは取りません。


山手のホームグラウンドが生まれた年に入部した8期生。先輩たちと一緒に草木生い茂る荒地を泥だらけになりながら草刈りをし、石いや岩を砕き、少しずつプレー出来る面積を広げて、次世代につなげるホームグラウンドを作り上げました。1を10にするよりも、0を1にするのは大変な苦労があります。それをやり遂げた8期生。自慢のチームだったと思います。


それだけに、試合後のキャプテンの「このメンバーで勝ちたかった」という言葉には胸を締め付けられました。


結局、8期生は公式戦では1勝もできませんでした。


あまり感情を表に出さない8期生のみんなでしたが、彼らがほんとは裏ですごく努力し、悔しくてたくさん泣いたことも知っています。


良いキャプテンがいて、いい仲間がいて、とてもいいチームだったと思います。保護者のみんなはそう言ってました。その通りだと思います。


これから先、新しい場所でお互いに切磋琢磨していくでしょう。いつか対戦できるといいな。


その時、みんなで違うユニフォームを着て写真を撮ろう。


それを楽しみにしながら、家に帰って、第3のビールで8期生に乾杯だ。

昨年に引き続き、難しい判断の中、中学3年生たちに試合の機会を作ってくれた皆様、審判の皆様、応援してくれた皆様、そして最後まで全力で戦ってくれた相模原ボーイズの皆様に感謝いたします。

ありがとうございました。9期生、10期生頑張ってくれ!

そして8期生、勝負はこれからだ。


(8期保護者 記)